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羽織

羽織

 

私の祖母の写真です。(昭和初期)
写真館で撮っているので、少しおしゃれをしているのかもしれませんが
でも多分特別ではなく 紬の着物に半巾帯と羽織、普段日常着であったと思います。
向かって左端 (こちらが祖母です)半巾帯よりもっと細い(細帯)ですね。
もっと年を取ってからの祖母しか知りませんが、いつもきものを着ていました。
すごく簡単に着ていたように思います。

着物が普段着だから羽織姿の写真が多いです。
洋服でいえば カーディガンやジャケットと同じです。

今、着物を着るときは特別な時がおおいですね。
昔のように 普段着とまではいかないです。
冠婚葬祭の時、数年に1度着物を着るくらい。っとおっしゃる方の方が多いのでは。

冠は「元服」成人することを意味します。
今では お宮参りや七五三、入学や還暦など今では人生の節目のお祝いも含むようです。
婚は婚姻
葬は葬儀
祭は祖先を祀る=供養の事でしたが、季節の節目の行事を指すようになりました。
法事は勿論、お正月やお盆など節句などです。

たいていの方は〇〇式といった式典で付下げ・訪問着以上の着物を着用し
お茶のお稽古や着付けなど習い事の場面で、色無地や小紋を着用される方が多いのではないでしょうか。
式典では晴れ着を着て、帯も二重太鼓または振袖などに変り結びをして華やかな装いとなるため、ほとんど羽織は着ません。
羽織は室内でも着用可能ですが、折角の晴れ着が見えなくなります。

また習い事の場合も室内では作業(習い事)ですので、羽織を着ることはないです。

小紋や紬など普段から着物を着用されている方は羽織をお持ちだと思いますが、
フォーマル着物のみお持ちの方は 「コートは有っても羽織は無い。」という方が多いです。

東京や大阪など普段着としてきものを着用される方が多い(多いといってもちらほら)街では、羽織着用者が多く
私の住んでいる名古屋では、普段着としてきものを着られる方が少ないため
羽織着用者は少ないです。

羽織もおしりが隠れるくらいの丈から 膝を少し超える長羽織などいろいろあり、
ご自分の好きな色や好きな柄で、1枚の着物に変化を与えることができます。
また、5月や10月の「帯姿で歩くにはどうかな。」っと思われるときには 薄物の単衣の羽織も大変便利です。


先にも述べましたが、カーディガンやジャケットと考えれば、ほんとうに便利です。

コートと違い、室内での着用も勿論可能ですから。

余談ですが、着物が普通だった昔は黒の絵羽羽織があれば、たいていの祝い事はOKで、紋が入った黒無地の羽織を着ればお略礼装になりました。

着物も勿論ですが、偶には羽織のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。