行列のできる「着物仕立て屋さん」
9月9日10日の2日間、東レシルック展を
東京は上野駅近くにて開催いたしました。
今回はシルック展の様子ではなく、会場としてお借りした
「お仕立て処 うえの」さんについてお話をします。
上野さんはお仕立て専門店として、皇室のお仕立も請け負う
一流のお仕立て屋さんで、現店主の上野洋さんで4代目になる老舗です。
その上野さんの1階ギャラリーをお借りしたのですが
開催期間中の来店されるお客様と電話の多さに驚かされました。
上野さん曰く「行列のできる仕立て屋さん」の通りでした。
もともとは百貨店のお仕立てを請け負っておられたのですが、
元来お仕立ては下請け仕事の要素が多く、正当に仕事が評価していただけない
理解しがたいクレームや金額に振り回される
という事に悩んでおられ、その挙句「お仕立て屋さん」というお店の形に形態に変えられ
そこから人気店になっていかれたそうです。
なぜこんなにお客様が来られるのですか? とお尋ねしたところ
「仕立て屋」というお店がなかなかないという事でした。
そういえばそうですね。お仕立といえば個人の内職さんか、
最近ではベトナムなどの縫製工場がほとんどで
「お仕立屋」というお店は確かにないですね。
お店を出すことでお客様に寸法やお仕立ての悩みを直接きちんとお答えでき
お客様の不安を取り除くことができることが口コミなどで広がり
お客様が増えていったとのことです。
今お客様自身が情報を集めることができる時代になってきたものの
その情報が本当に正しいかどうかの判断がつかず立ちすくむ場面も増えてきましたが
背景にある実績と信頼に直接触れることで安心を得る場面がここにありうような気がします。