着物についてのご相談

サイズお召し方

Q 足袋は0.5cmほど小さいものを選ぶ方が良いと聞きますが?

「小さめのものを選んだ方があまりのだぶつきが無くきれい。」ではありますが最近の方は指の長い方が多いので一概に言えません。指が足袋の中で縮まった状態になり痛くなる場合もあります。お茶・お花などお稽古で慣れていらっしゃる場合以外は、通常のサイズをお選びになるのが無難です。

Q 裄の長さはどこを測ればよいですか?

裄は、下ろした腕を少し上に持ち上げた状態で、首の後ろ背中心から肩を通って手首手前軟骨の頂点まで。手首まで測ってしまうと長いです。

Q 裄の短い着物はおかしいですか?

短さにも限度がありますが、やはり腕がにょっきりと出ている場合はおかしいです。昔は今より短く着用していました。最近のきもの着用姿(雑誌など)は長く着ている場合が多いです。しかしこれが全てお手本ではありません。

Q 留袖に変り結びをしたいのですが?

若い方でしたら変り結びをして華やかにされても良いと思いますが、留袖は既婚者でそれなりの格のあるきもののですので、通常のお太鼓結びでの着用が望ましいと思います。
帯には、振袖用の帯など初めから変り結びをする事を前提に作ってあるものと、留袖などの様にお太鼓結びを基本として作ってある物があります。後者の場合は帯の柄や技を見せるように作っています。金彩・箔使い・刺繍など使用の帯に変り結びをした為に折りじわがとれなくなったり刺繍の糸が帯から出てくる場合もあります。訪問着の場合も同様どんな帯かを確認してから結びを決めてください。

Q 衿芯に上下・裏表はありますか?

衿芯イメージ

衿芯を伸ばした状態で長い方(とがった方)を上に、短い方を下(肩に沿うように)襦袢に入れてください。間違っても差ほど変りませんが衿の抜きがきれいです。上下全く同じ物もあります。裏表は無いです。(襦袢に衿芯を入れた状態で着付け時このようになる様に)

Q 化繊の着物は見てわかりますか?

見て分かる方はほぼいないと思います。女性がスカーフをしている時こちらは正絹のスカーフ、こちらはポリエステルのスカーフとなかなか分からないと思います。現代では、どちらの繊維にも長所があり短所があるのでそれを補う様に加工・処理をしています。ビニールかレインコートと間違っているのでは?と思える質問がありますが、今の技術はもう少し、優れています。色・柄・などを見てお好きな物の中よりお選びになれば良いと思います。

冠婚葬祭

Q 義理の兄弟の結婚式です。既婚者ですが色留袖はダメでしょうか?

黒留袖が良いと思いますが、最近ではご本人(新郎新婦)のお母様が黒留袖を着用の他は色留袖を着用される場合・訪問着を着用される場合も大変多くなっております。お身内の席が黒ばかりなので華やかさを添えるのでとのご依頼もあるとの事ですが、お相手がある事ですので、お相手の同等の立場の方がどのような物を着用されるか先にご本人さま達にお聞きいただくのが一番御安心と思います。お聞きになれない場合、色留袖まででしたら失礼には当たらないと思います。

Q 未婚ですが妹の結婚式に親代わりとして出席します。黒留袖でしょうか?

親代わりではありますが、やはり未婚のお姉様です。色留袖で十分だと思います。両親族の方・お友達など既にお分かりのはずです。御本人様が黒留袖御着用をお望みの場合は他として、そうでない場合は色留袖、お若く振袖着用をご希望でしたら振袖で大丈夫です。妹様にとっては唯一のお姉様ですので、お姉様としての第一礼装で良いと思います。

Q きものの紋は主人(嫁ぎ先)の紋に合わせるのですか?

地方により様々です。花嫁仕度として留袖・喪服など実家の紋を入れ準備される場合が多いようですが、嫁ぎ先の紋を入れて準備してほしいとか、嫁は全て五三の桐と決まっている所など、様々です。きものを作られる場合は御確認された方が宜しいでしょう。

Q 相手のお母様が絽の留袖を着用の場合、合せないとだめですか?

両家の衣裳は合せるといった決まりはありません。せっかくお持ちの着物がお有ならばそちら優先でお考えください。レンタルでお考えの場合は絽の留袖をお考えになれば如何でしょうか。一般に、6月10月が単のきもの。7月8月が絽のきものとなっておりますが、結婚式だけは別格であまり季節感がありません。花嫁衣装は全く季節感無く決めるため、式場内は空調設備が整っているはずです。神社やお寺でされる場合(式場内に造られた物を省き)外を歩かれる事もありますので、夏に袷は暑く夏ものをお勧めいたします。

Q 披露宴に出席します。白い振袖は失礼ですか?

花嫁衣裳の白無垢は真っ白です。通常の振袖には必ず色柄があり帯も・帯〆・帯揚もします。全く失礼ではありません。真っ白のドレスの場合はウエディングドレスとかぶってしまうかもしれませんが、きもので真っ白はほぼ無いでしょう。「花嫁さんより目立っても…」と心配される方がいらっしゃいますが、大丈夫だと思います。

Q 9月友人の結婚式に出席します。きもの一式はあるのですが帯は藤の花です。相談した方は「季節が違うので…」と良い反応では無く迷っています。

結婚式は全く別格と御考えで良いと思います。たとえば着物は先取りですので桜の花の頃に桜の着物では遅いのです。藤の花も同じく4月中頃までとなります。しかし、あまりにも季節に囚われていたのでは何枚もきものを用意しないといけません。通年を通して着用されます留袖・訪問着などは、どの季節でも着用できるように図案を考えている物がほとんどですが、結婚式は季節感の無い華やかな席ですので、(夏場に袷の着物も許されます)お持ちのお着物で着飾っていかれて大丈夫だと思います。藤の花はふくよかで高貴な色の紫です。松と同じように長寿の花として吉祥模様の一つに入っております。お茶・お花など季節を大切にされる場合以外、特に御友人のご結婚式ですので華やかに着用ください。最近では桜・菊は日本の国花として通年着用されています。

Q 父親のモーニングは両家合せるものだと言われましたが、合せないとダメでしょうか?

モーニングであれば、ネクタイの縞の違い・ベストの衿の無・有・ベストの色・シャツの形(ウィングカラーとYシャツ)など両家多少ちがっていても全く大丈夫だと思います。上着の形も式場によってはオリジナルなど新作として出しますが、レンタル業界が盛んになった為に、両家合せないとまとまりが悪いなど言う意見が出てきたのです。稀ですが中にはモーニングをお持ちの方もいらっしゃいます。モーニングスタイルであれば失礼には当たりませんし変(へん)ではありません。式を上げられるご本人様、お父様のご意見でお決めください。

Q 渋い色のシンプルな訪問着を持っています。結婚式に不向きでしょうか?

渋い色でも帯・帯〆・帯揚などで雰囲気は変わります。また、帯の柄により多少格が変ってきますが、格式にとらわれ過ぎてちぐはぐな組合せ方になるよりは、きものの柄に合う帯で少しでも華やかさを出されてはいかがでしょうか。シンプルにカッコよく着こなされても良いと思います。

和小物コーディネート

Q バックが小さいのですが、他に持っていくバックは何が良いですか?

フォーマル用のバックは小さいです。入れる物は財布は小銭入れに替え、ハンカチ・ティッシュ・口紅ほどにした方が良いです。フォーマルな場では通常、財布を出して御金を支払うことを設定していませんし携帯で話をする場では無いです。フォーマルバックは式場内での装いの一部としての持ち物です。ただ、どうしても自宅から式が始まるまでの間に色々な物が必要です。日常の荷物を入れる場合は別のバックを必ず用意しましょう。和服に合う柄や単色使いの布・皮のバック。又は風呂敷・おしゃれな(和服に合う)紙袋などで良いです。

Q 草履からかかとが出ています。小さいのではないですか?

草履は靴ほどサイズがありません。MサイズLサイズフリーサイズ位です。(最近はLLサイズもありますが、品数は少ないです。)草履を履かれたときに、かかとより1cmほど出ても良いのです。子供用も同じく靴の様に細かくサイズはありません。

しきたり慣習

Q のしめ(初着)は誰が用意するものですか?

地方により様々です。実家がご用意される所が多いようですが男の子は嫁ぎ先がご用意される所もあります。一人目は嫁ぎ先・二人目は実家。お若いおかあさんとおとうさんが好きな物を用意する。などさまざまです。

Q 色留袖に紋はいくつ付けるのですか?

紋の数により格が上がり五つが最高です。宮中の方は黒留袖を着用されないので、色留袖の五つ紋が一番格が上の着物になっています。ご自分で1枚作られるのであれば三つ紋が一番用途が広いので無難です。どんな時も格が上がれば良い風に思いがちですが、相手の方・周りの方を追い抜かした状態になる事も、また失礼になる場合もあります。逆に一つでは折角の色留袖なのに控え目になりすぎたり。紋の数が御心配、ご不安であれば、3つが一番無難です。

Q 御宮参りに行きます。どんなきものが良いですか?

無地か付下げ、訪問着でも趣味的な物より昔からの柄でおとなしい感じの物が良いと思います。昔は黒の留袖や黒紋羽織でされたようです。今は明るいおとなしい感じの付下げか訪問着が圧倒的に多いです。

Q 御宮参りに行きたいのですが、どちらの神社へ行けばよいのでしょうか?

御宮参りは、無事に生まれその土地の氏子杜なったことへの報告と感謝を告げる為に氏神様へまいります。出産時にお参りに行かれた神社へ行かれる方、土地の有名な神社へ御参りに行かれる方様々です。

Q お葬式に子供は何を着ればよいでしょうか?

大人は黒と決まっておりますが、子供さんの場合は出来るだけ黒に近付けた装いになれば大丈夫です。出来る限り無地で黒又はグレーの上下。ポロシャツや女の子は白のブラウスに黒っぽいカーディガンでもよいです。大人の用に黒のフォーマルのご用意はなかなかされていないと思いますので代用品で大丈夫です。制服のある方は学校の制服を着用ください。

Q 観劇に行きますが着物は何を着ればよいのでしょうか?

観劇にも色々あるので一概には言えません。訪問着・無地などの場合もありますが、一般的に普段歌舞伎などを観に行かれる場合は落ち着いた小紋や紬など着用の方が多いです。クラシックコンサートなどでは可愛い音符などの絵柄の帯など合されて楽しまれるのもよいです。12月などクリスマスの絵柄の着物など御洒落です。

Q お茶を習い始めたので1枚きものを作ろうと思います。どんなものが良いですかか?

1つ紋の無地のきもの・1つ紋の江戸小紋のきものが一番初めは良いのではないでしょうか。色目は、品よく薄グレーやお若い方なら薄い鴇(とき)色、少し落ち着いた雰囲気で、藤色や薄緑などですが、先生によっては付下げがお好きな方もいらっしゃいます。御茶会などの雰囲気も教室の先生が一番ご存知です。きものに関しても事細かく指導されます方、着用の着物はそれほど指示されない方など、先生によりお好みやお勧めは本当に幅広いです。先ず習われている先生のご指示をお聞きの上ご相談ください。

Q 中学校文化祭で御茶会をします。先生には何でも良いと言わせました。お勧めは?

可愛い小紋の着物で良いと思います。正式茶会でなく、大勢の一般の方対象ですので、若くその年代に合うもので着用ください。きものの楽しみも味わって頂きたいです。